おにわ通信 バックナンバー
日時 | タイトル |
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2024/04/12(金) 06:30 | 大人の「させたい」vs. |
子供の「やりたい」、ファイッ
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おはようございます。
ゆうた先生です。
おにわ通信をお送りします。
昨日の投稿の続きです。
保育事例(↓)を読み解きます。
(業界紙『私幼時報』より)
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(お断り)
保育事例の内容や関係者の考え方を悪くいう意図はありません。
日本の保育の底上げを期待し、改善できそうな部分について考えます。
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ちょっとだけ復習しますね。
事例タイトルは「子どもの主体性と保育者の意図性のバランスについて」。
発表文によれば、この園の課題は子供の主体性を尊重できていないこと。
プロジェクト開始前には職員の抵抗が強く、すんなりとは進まず。
プロジェクト進行中も「子どもの思いや考えのない設定保育」が多く見られたとのことでした。
さて、おにわ通信でお伝えしたいことはここから。
事例発表はこのように終わっています。
↓
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今後の課題は
「子どもの主体性と保育者の意図性のバランス」
を取ること
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しかし、はたして、一番の反省点は
「子どもの主体性と保育者の意図性のバランス」
なのでしょうか?
答えを先にいうなら、最大の改善ポイントはこれでしょう。
↓
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子供の主体性が育っていくのを一心同体で援助すること
(ある意味で、大人の意図が出る幕などまったくない)
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事例に登場するフレーズに立ち戻って考えていきましょう。
●子の主体性
●大人の意図
のバランスとはどういう意味か。
普通に読むと
●子供の「やりたい」
●大人の「させたい」
をほどよく混ぜるということ。
保育の仕事に就いていない人であれば
「子の主体性と大人の意図をバランスよくミックスして生活しよう」
と聞いても疑問など湧かないかもしれませんが…
ダメなんです。
特に幼児には。
発達心理学上の常識として、0~6歳にとって「やらされる」は毒。
他者の意図で行動させられる経験はとにかく避ける必要があります。
反対からいうと、本人が「よし、やろう!」と思って行動するのがいいです。
(これを「意志(Will)」と呼びます)
ここで、事例を書いた人からは反論が出るかもしれません。
「それではワガママになるのでは?」
って。
いいえ、ワガママになどなりません。
●子の主体性
●大人の意図
という語を使って例を挙げますね。
反論の中身はこんな感じでしょうか。
↓
__________________
子供の主体性に任せたら、自分が使いたい色ペンを友達が使っていたら横取りする人になってしまうかもしれませんよ?
だから、ワガママを許さないという大人の意図をバランスよく伝えていく必要があるでしょう。
普段から「友達の使っている色ペンを奪ってはいけない」と教え続けなければ。
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「意志(Will)」の観点で見ると、この反論は明らかに間違っています。
意志があるというのは
●「自分が使いたい」という意志
●「友達も使いたい」という意志
の両方を尊重できるということ。
しかも「自分の内面でそう確信している」からこそ実行できるのでなければいけません。
「大人に指示された」からでなく。
おにわ通信では「耳タコ」でしょうが、【心】も【筋肉】のように育ちます。
つまり
●「自分が使いたい」という意志
●「友達も使いたい」という意志
を日常的に、【自分の】内面で使い続けなければなりません。
週1回の「筋トレ」でシックスパックを作ろうなんていうのは甘すぎです。
反対に、教えられことをする、を実践して育つのは「教えられたことをする」心。
つまりそれって、【他人の】意志で動く練習をしているというですよね。
先に挙げておいた結論
↓
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子供の主体性が育っていくのを一心同体で援助すること
(ある意味で、大人の意図が出る幕などまったくない)
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に戻りましょう。
簡単な話です。
例にならうなら、色ペンで遊ぶことがもっとおもしろくなるように一心同体で遊びます。
「素敵になってきた(色を塗れてきた)ね!」なんて声をかけるのがいいでしょう。
カブトムシの人形を製作しているなら「本物みたいになってきた!」とか何とか。
子供が「よし、もっとやろう!」と感じられるような本気のメッセージを伝えてください。
そして、使いたい色を友達が使っているなら別の方向に「意志」を使いながら待つんです。
「先にツノ作っちゃいましょ!」でも、「カブトさんが住むおうちがあったらいいわよね」でも、何でも。
保育の専門性が問われるのはこういう瞬間だと思います。
「欲しいなら貸してと言いましょう」「頼まれたらいいよと言いましょう」
と「大人の意図」を示すのは、厳密な意味では保育ではありません。
子供の主体性が育っていくのを一心同体で援助するこ、
そして、大人の意図は出る幕などない、
という感覚をお伝えできたでしょうか?
ただ、残念なことに…
事例に挙げられているのは1つ次元の低い話なんですよね。
「○○(活動名)を子供にやらせたいのだけれど、子供の主体性を尊重すると大人の意図が通らない…」
という。
長くなったので今回はここで終わります。
次の投稿で補足させてください。
それにしても…
こんなマニアックな保育・心理発達の話を最後まで読むなんて、あなたは変わり者です!
めちゃくちゃ褒めてます!
来週もよろしくお願いします!
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