おにわ通信 バックナンバー
| 日時 | タイトル |
|---|---|
| 2026/06/01(月) 06:30 | おもしろい+誰かの役に立つ |

を願う小学生。
◇◆◇◆◇おしらせ◇◆◇◆
保育見学会のようすを動画撮影しました。
「見てみたい」という方はご意見フォームで「見学会の配信希望」とお知らせください。
◇◆◇おしらせここまで◆◇◆

おはようございます。
ゆうた先生です。
おにわ通信をお送りします。
※今回の内容をnoteで読む(←タップ)
(noteでは画像もあります)
私の経営・勤務する幼稚園を卒園したお子さんの数は約5,000名。
卒園年代に関わらず、卒園生やそのお母さまがよく遊びにきてくださいます。
近況をうかがうと、充実して通学している小学生もいれば、息苦しさを感じている人も。
今回は、特に苦境に立たされている小学生やその保護者に役立つ話をしたい。
状況整理のため、最初に、小学生たちが非常に厳しい環境に追いやられているようすを確認します。
私の生活半径に限定せずとも、小学生に関わる社会問題が日本中で絶えません。
そもそも、一部の児童にとっては学校生活それ自体に大変な苦労が伴います。
画一的な行動を強いられる環境に自分の行動を合わせられない、学習内容が難しすぎる、あるいは興味・関心とマッチしない、といったことが要因となり、脱落してしまう子どもが一定数いますよね。
また、先生に問題がある、ということもあるでしょう。
非常に少数ではありますが(と信じたい)、他者の気持ちに配慮できない大人もいますから。
過度に支配的であるとか、無責任であるとか、えこひいきするとか。
深刻なケースとしては、いじめという名の暴力犯罪や不登校も挙げられるでしょう。
最近ではSNSトラブルや「体験格差」も無視できなくなっています。
書いていて暗い気持ちになりますが、自殺も減りません。
参照:文部科学省「小中高生の自殺者数年次推移」
自死の増加が目立つのは中学生以降ですが、小学生の状況は昭和50年代からいっさい変化せず、ここ数年で中学生の生活環境だけが激変した、とは考えづらい。
つまり、小学生も追い詰められているはず。
これらの困難をいっぺんに解消する特効薬はありませんが、「やって損はない対策」「生きやすくなる工夫」は存在します。
ここでは、保育に従事する立場から、小学生の生活の充実を、具体的に考えてみたいと思います。
そのために、まず、この時期に一般的に見られる特徴を共有しますね。
おうちに小学生のいる方は、ぜひ目を通してください。
改めて彼/彼女らの内面に思いを馳せるのも、いいものですよ。
小学生の時期を、エリクソン発達心理学では「児童期」あるいは「学童期」と呼びます。
年齢でいうと6~12歳くらいですね。
身体発達と関連していることもあって、個人差があります。
ただ、5歳から児童期が始まる人は、私の知るところでは皆無ですし、児童期が15歳まで続く状況も非常にまれ。
この時期の人間が求めている「心」を一言で表すとしたら?
それは「有能感」。
社会を支える知識・技術に対して敏感になるこの時期は、それら知識・技術を身につけ、(いい意味で)社会の一部になることに動機づけられます。
だから、有能感とは、いってみれば「私は、私が暮らすコミュニティの中でうまくやっていける」という確信めいた予感。
「充実して生きたい」かつ「誰かの役に立てる大人になりたい」、と表現すると、さらにしっくりくるでしょうか。
これは、何も「小学生のうちから社会の一員として独立を目指そう」という意味ではありません。
「社会の一員として、◯◯としての生き方に人生を捧げよう」と、腹の底から決意し行動できるのは、児童期の次である「青年期」の心理発達課題(ライフタスク)ですから。
過去投稿で指摘したように、将来的に起こるかもしれない心理発達をそれより前の段階で達成しようとするのは、本人にも身近な人にも負担大。
そして何より、その試みはほぼ確実に失敗します。
冷静に考えて不自然でしょ、小学生が20代後半のように思考していたら。
「私は医師として残業込みで1日10時間働き、夜勤もこなし、まとまった休みには大学病院で研修に励んで実力をつけます。また、家事をしつつ子どもを育てます」なんて。
小学生のうちは、何気なく将来を思い描きつつ、「楽しい!」と思えることに認知活動や身体活動を集中させるのがいいです。
もちろん、文章や数字の操作が得意であったり、運動に秀でていたりすると、10~20年後の社会貢献・自己実現をイメージしやすくはなるでしょう。
その程度で、その程度がいいのです。
「有能感(Competence)」は、このプロセスでこそ発達します。
ここまでで、小学生期の「心」が求めているものの正体を共有できたのではないかと思います。
では最後。
具体的にはどうやって「有能感」を高めるのでしょうか?
読者はいいかげん耳タコだと思いますが、「心」を育むには「反復」しかありません。
毎日のリフティングでサッカー技術という「身体」能力が、算数ドリルの繰り返しで数学的な「認知」能力が育つのと同じ。
そのうえで、では、小学生は何を反復練習すべきか?
考え方としては簡単です。
「有能感」とは「おもしろい!」と「社会の一員として力を発揮したい!」を同時に追求する心ですから、「おもしろい!」と「他者の役に立つ」を感じ続けられるように生活を設計すればいいということになります。
他方、実行は非常に難しい。
だから、おにわ通信としては、まず「おもしろい!」と感じられる生活を実践できるよう工夫することを勧めたいと思います。
それが社会の役に立つかどうかは後回しで。
もちろん、これだけのことであっても、実践できる人は少ないでしょう。
学校では学習内容を指定されてしまうし、かといって本気で取り組みたいことを探すのは大変で、しかもそれを家庭でサポートしきれる保証もない…
ちなみに、SNSやスマホゲームはたいがい「おもしろい!」ですが、これはダメ。
アプリ製作者の意図通りに快楽物質ドーパミンを放出させられているだけですから。
心理発達の面からいえば、自分でなく他人の「意志」に動かされている状態。
さて、どうしましょう?
今すぐ事態を打開しようと思ったら、関係者は3人(種類)です。本人・おうちの人・学校の先生。
私は、担任の先生が授業の準備に時間を割けるよう、校務分掌をデザインし直すのが有効だと考えます。
要するに、担任の先生の時間を、学校ぐるみで、死に物狂いで確保する。
書類を減らす。会議を減らす。不当なクレーム電話があれば(?)校長がシャットアウトする。
月並みな意見ですがコレしかありません。
同時に、家庭でも「おもしろい!」を探し、やってみる。
大金を支払って遠出せずとも、一緒に昼ごはんを作るだけでも、何かが始まるかもしれません。
息子(当時小6)のリクエストで、一緒に鯛を捌いたことがありますが、おもしろかったですよ。
小さなことでも「何それ、大したことないね」でなく、「おもしろそうだね!」と一緒に喜び、大人も身体と頭を動かすのです。
本人に全権委任するのは考えものです。
これも口うるさくお伝えしているように、「心」の発達は子ども一人では決して成し遂げられないので。
参照:心理発達の原則②「一緒に」(過去投稿)
まとめます。
●小学生が困難を抱えているようす
●その小学生が得たいと願う「有能感」
●その「有能感」の育て方
について話しました。
子どもの「おもしろい!」を、大人たちが分かち合ってくれるよう祈ります。
※noteでもう一度読む(←タップ)
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