おにわ通信 バックナンバー
日時 | タイトル |
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2021/06/10(木) 08:20 | 過去は消えないのでしょうか? |
おはようございます。
ゆうた先生です。
おにわ通信をお送りします。
漫画の話をします。
久し振りに読んだら
とてもおもしろかったので。
※いわゆる「ネタバレ」を含みますので、購読中の方はご注意ください。
有名週刊誌の人気作品
『僕のヒーローアカデミア』の
このシーン。
この「悪役」の名は荼毘(だび)。
親に捨てられたという【記憶】
のせいで親を恨んでいます。
(本当は捨てられていないのですが)
ヒーローである父親への恨みから
社会を崩壊させようとしていて、
多くの人間を殺害するなど
行いを考えると完全な悪役。
ですが、過去を想像すると
誰も彼を責められない。
と、読者が感じざるを得ない
人物として描かれます。
どれほどの闇を抱えて生きているか
「過去は消えない」
というセリフからもわかりますね。
思うにポイントは、このセリフを
【悪役】が言うところ。
つまり、作品として最後に
読者の心に残したいメッセージは
このセリフの【反対】である
と思うんです。
あえて説明するなら
こういうこでしょう。
↓
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親に見捨てられたと感じて生きる。
どれほどつらいだろう。
ヒーローを死に追いやることも
世界を滅ぼすことも
どうでもよくなるほどの苦しみを
あなたは抱えているのだ。
全員があなたに同情している。
救いたいと願っている。
だけど、
だけどね、
あなたは本当は愛されていたんだ。
あなたのしたことは許されないこと。
「やり直す」のは難しい。
それでも、
過去を見つめ直し、
傷つけた人達と自分自身を
心の中で笑顔にしてやってほしい。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この漫画の【悪役】は全員
壮絶な過去を抱えており、
それによって【悪事】に走ります。
それを知りながらもヒーローは
彼らを倒さなければならない。
そんな二面性こそが今作のテーマ。
私はそう感じながら読んでいます。
「親にたっぷり愛された」という
思い出の中に生きることができていたら
荼毘はどんなに優しく強い人間に
なっていただろう。
想像せずにはいられませんでした。
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